2013年1月9日水曜日

『ドライヴ』  監督:ニコラス・ウィンディング・レフ/アメリカ/2011年

なかなかなの男泣き映画だったです。たったあれだけのかかわりでそこまで人を好きになれるのか、命を懸けて戦えるのか・・・ありえへんぐらいいい男っぷりの主人公。
ストーリー、運転の凄く上手い男がたまたま知り合った人妻とその家族を守る為、やくざ者と戦う、略すとそんな簡単な話。それを長まわしとスローモーションを多用し、じっくり、ぐぐぐっと盛り上げていきます。表情もあまり動かさず、口数の少ない主人公をみていますと、マカロニ西部劇やら昔の任侠映画に出てくるアウトローなヒーロー達に通ずるものを感じます。

2012年12月20日木曜日

『死にぞこないの青 乙一著/幻冬舎文庫/2001年

おとなしく控えめな性格の小学生、マサオは、担任教師、羽田に些細な出来事で目をつけられクラスのつまはじきものに仕立て上げられてゆく。暗く悶々とした学校生活を送るマサオ。そんな彼の眼の前に青い肌、片目はボンドかなにかで塞がれ口は靴ひもで縫い付けられ拘束衣を着せられた不気味な男の子”アオ”が現われて。。。
前半は精神的な虐待の描写が延々と続き読み進めるのがつらいような話でしたが後半からアオが解き放たれていき、マサオの覚悟が固まって羽田先生に報復開始。とたんに元気になって読み進めるのが楽しい感じ。ラストまであっという間でした。やはり、私はマゾでなくサドなのでしょうな・・・。それはともかく、結局、我が身を守るのは自分しかいない。理不尽な行いに怒りを感じるならばそれなりの覚悟で戦わなければならないんだと言うメッセージを受け止めました。しかし、現実に学校でイジメにあってる子や会社でパワハラにあってる大人がこれを読んでどう思うんだろうか?地獄にとどまるか一歩踏出し更なる地獄を経験するか・・・がんばりぬいたらといって幸福な未来があるのかどうかは保障が無いからね~。現実は過酷ですよ、たとえ一人倒せたとしても次々と敵は現れますから。以上、乙一さん初体験でした。(部員M)

2012年11月28日水曜日

『空が灰色だから 1 阿部共実著/秋田書店 少年チャンピオン・コミックス/2012年

萌えな絵柄が苦手で、またライノベなども読んだことない私ですが、カバーのリード文「10代女子を中心に、人々のうまくいかない日常を描くオムニバス・ショート12編。コメディか、ホラーか、背徳か、純真か、説明不能の“心がざわつく”思春期コミック誕生。」が何だかとても気になってしまい、えい!と気合を入れて新品を購入。(正直、レジに立った時、少し恥ずかしかったが。)さて、読んだ感想、面白いですこれは!各話ごとに登場人物がチェンジして行くのですがどの回の主人公も人間付合いの苦手な子達なわけなんです。んでその人付合いの下手さ加減がギャグになったりちょっとしたサイコホラーになったりするんです。アハハと笑わされたと思ったら次の話でどんよりした気分になり次はどうかと身構えて読むとちょっと涙腺が緩むようないい話だったり、なかなか油断ならぬ展開で楽しませていただきました。畳み掛けるようなセリフのリズム感が凄く現代的ですな~普段、古臭いものを好む私には新鮮でした。処理能力の低い脳なので、付いて行くのがたいへんでしたけど。(部員M)

2012年10月29日月曜日

鋭利な刃先でひっかいた擦り傷
ようなペンタッチが精神にきます。
『惨劇館 2』  御茶漬海苔著/朝日ソノラマ社 ハロウィン少女コミック館/1990年

部員Zよりおすすめの(?)一冊、早速よんでみました。この人の本は『桜子』と言うのを読んだ事があってそれが非常に印象に残っていたのですがそれ以外はなぜか手を出さずじまいでしたので今回よい機会をいただきました。『惨劇館』は御茶漬海苔の初期の代表作だそうです。ぱっとみ80年代に流行ったスプラッター映画や大友克洋の影響が見て取れますね~なんか懐かしいもんがあります。この第2巻はホラー短編が6編収められておりました。さて、最初のお話『肉玉』。あれ、これは『桜子』の原型ですか?こっちのお父さんは実父、オチもより救われない事になっておりますので『桜子』より読後感が重いです。監禁した挙句に肢体を切断、芋虫状態にした女を孕ませて生ませた子供、そりゃえぐいですわ。(部員M)

2012年10月18日木曜日

『ムカデ人間』  監督:トム・シックス/オランダ・イギリス合作/2010年

例によって似てない似顔絵ですんません。
私、ハイター博士の画力の無さに親近感湧きました。
映画館に行こうかな~と思いつつ行かずじまいでしたがレンタルDVDでようやく鑑賞。人間のお尻とお口とを手術で連結させてムカデ人間を作る・・・私ゃランチの合席すら苦手な団体行動だめ人間なのでムカデ人間にされた三人さんが気の毒でしょうがなかったです。
変態のおっさんにとっ捕まった若者たちが森の中の一軒屋に監禁され酷い目に合わされる。なんかありがちなパターンです。グロ描写も少な目で、ムカデ人間の肝心の部分も白い生地で覆われており見えません。タイトルほどセンセーショナルな内容では無かったですが、変態、ヨーゼフ・ハイター博士を演じたディーター・ラーザーと言う役者さんがぬんめり気持ち悪い面構えでなかなか眺めがい有でした。あと、ムカデ人間、先頭役の日本人俳優、北村昭博の大健闘、全編コテコテの関西弁で罵声をとばし面白すぎる。特に「よっしゃ~!」に爆笑してしまった。陰惨な劇も関西弁だと不条理な喜劇に見えますな。。あんなに頑張って最後あんなふうって、まったく救いの無い結末ではありましたが。(部員M)

2012年10月7日日曜日

2012年10月3日水曜日

引越にともないここしばらくの間、我が家では押入れの発掘調査が続いておりますが、
80年代から溜め込んだあれやこれやが色々出てきて楽しいものです。
そんな訳で発掘品の一部をご紹介いたします。

『そんなオリビアが好きさ』 シャーリー・ド・チエコ(仮称)著 / 火星兵團社 / 1987年

と言ってもなんじゃそりゃですよね。
この漫画は本屋で売られていたものではなく中学の同級生の手作り本ですから、
今の今まで読んだのは作者とこの私しかおりませんのでね。
87年作・・・約四半世紀オーバーか・・・捨てずにとっておいてよかったな~。
世の中的には無価値でしょうが私にとっては宝です。

さて、藁半紙に筆ペンと色鉛筆を使って描かれホッチキスで閉じられたこの奇書、
久しぶりに読み返せば今時言われるサブカル中二病っうやつですかね・・・
この頃は暴力的で反社会的な本や音楽、映画が楽しくて楽しくて(笑)二人でその手の物をあさる毎日を送っておりましたが、
それらの影響が素直に反映された内容となってます。

内容はちょっとあれすぎますもんで見せられそうな箇所だけ抜粋いたしました。これ以上は無理です。


ちなみにシリーズになってまして7冊ほど保存されております。いずれも因業残虐な内容なので詳しく説明はできません。
それにしてもチエコ(仮称)は元気だろうか?かれこれ20年ほど連絡しておりません。今は何をされておることやら。こんなもの描いた事も本人はすっかり忘れてらっしゃるでしょうな。あぁ、青春の燃えカス。(部員M)